「ブイアールサンダー in 豊橋 2018」に参加しました
ブイアールサンダー in 豊橋 2018
続日本百名城に選ばれた吉田城で有名な、日本一急なカーブがある路面電車で有名な愛知県豊橋市の中でも東海道33番目の宿場町ということで名高い二川宿に全国のVRが一堂に会するという ブイアールサンダー in 豊橋 2018が開催されるということで、2018/1/20行ってきました。
会場は江戸時代の商家「駒屋」さんです。
主催
協賛
- 株式会社マップクエスト:GISで社会を豊かに
- 有限会社Roots7(ルーツセブン):価値を創造するク- リエイティブスペース
- 株式会社ネットコム:人とコンピューターの未来をつなぐ
- 株式会社ウェブインパクト:「お客さま」の「困った」を便利に。
作品展示(会場:離れ座敷)
作品展示会場の雰囲気はこんな感じ。
伝統的な和室の中でのIT展示といってもあまり違和感ありませんね。むしろ和室にこそマッチするVR作品なんてのも出てきます。
HoloLensの展示:株式会社 HoloLab 代表取締役 中村 薫 様
HoloLensは2016年にマイクロソフトから発売された頭部装着型のPC。VRとは違って周りが見えるので、部屋の中を歩き回ることができます。仮想現実(VR)や拡張現実(AR)ではなく、複合現実・ミックスドリアリティ(MR)と称しています。
ちなみにマイクロソフトの平野社長は日本人と米国人のハーフでヨーロッパ人顔なのですが、「こんな顔で日本語をしゃべっていて一人ミックスドリアリティをやっておりますが、皆さんとの関係は正真正銘リアルでございます!」というのを鉄板ネタとしています。
彼は今、空間に浮かんでいる何かをクリックしようとしています。
30万円以上する高価なものなのですが、私の周りの人たちは競うように購入していて、もはやWindowsPhoneの普及率を超えたのではないかと思われます。
MOVERIO + 土下座アプリ:日本 Android の会 浜松支部 @macha1972 様
MOVERIOというEPSONのスマートグラスを使った「土下座アプリ」というこの作品、2014年のスマートグラスハッカソンで最優秀賞を受賞していて、うわさには聞いていましたが実物は今日が初めて。
指示に従って土下座しています。
結果は39点でこの時点では本日の第1位だったのですが、しばらくしてから覗いてみたらまさかの100点!がでてました。これには@macha1972さんも「そもそも100点出るように作ってたっけ!?」と驚いた様子でした。ただ普段のデモは靴を履いたままの状態のことが多いが今日は畳なので、皆さんためらいなく奇麗な土下座をされていたということです。VRと和のベストマッチ。1位の方は一度試した後の再チャレンジで100点を出したとのこと。それは美しい土下座だったそうです。
ルームシミュレータ:豊橋技術科学大学 水谷研究室 様
- 建築設計情報学理論研究
- デザインテクノロジーの開発と応用・実践
- 公共空間のリ・デザイン手法の開発と応用・実践
ということでガチ硬派な作品と期待。
部屋の中を歩き回って壁紙や床、ベッドや机を変えたりして楽しんでます。
特に面白いなと感じたのは、外の天気や時間帯を変えられるところ。愛知県美術館の円山応挙展で客殿を再現してLED照明で朝昼夕を表現した襖絵の展示を思い出しました。光の加減によって表情が変わるんですね。愛知県美術館は大きな空間を利用した大がかりなものでしたが、VRならもっと手軽に再現できますね。
解説してくださった方によると「自分は卒業しても後輩たちが研究を続けていきます」ということで、今後の発展も楽しみな作品でした。
オープンデータ手筒花火:株式会社ウェブインパクト様
板間にて発見!
以前吉田城へ行った帰りに豊橋の街を歩いていたらお店の軒先に手筒花火の筒が置いてあるのを見つけて「おおっ!」と心躍ったのを思い出します。本作品はいろんな名所で手筒花火を体験してみようというもの。
吉田城に火をかけているところです。模擬天守なので罪悪感なく気持ちよくやってます。ヘッドマウントディスプレイの中の筒と実際の筒の位置も合っていてすごい臨場感です。
ただし、真っ二つだぞ?:豊橋技術科学大学 大村研究室 小柳 陽光様
どうも元ネタがありそうだなと思ってググったら出てきました
指パッチンで敵を攻撃するというキャラです。これくらいググらずともわかるようにならなくてはいけませんね。反省。現地でもみんな「ああ、十傑集ね」って感じで完全にコモンセンスでした。
指を鳴らすとその音を認識して敵を攻撃する真空波が出るというゲーム。単に音を認識させるだけだと足音などにも反応してしまうので、ちゃんと指パッチンを認識できるように機械学習で覚えさせたそうです。この写真の時は残念ながらうまく認識されませんでしたが、暫くしてのぞいてみたらうまく調整できてました。
私は趣味で仮面ライダー555やアマゾンライダーに変身したりするのですが、本作の作者の小柳さんとはいつかコラボできるんじゃないか、そんな気がしてます。
VRトヨッキー:J21 Corporation 広瀬 卓哉 様
トヨッキーを操作して豊橋名産のちくわを集めるというスマホVRゲーム。進む・右・左と書かれたパネルに視線を合わせることで操作します。
コードモンキーという学習用のツール?を使って作っているそうです。詳しくはこちら。手軽にゲームが作れてしまいそうなツールですね。
しかしVRをやっていると口がぽかんと空いてしまっていけませんね。ご注意ください。
午後の講演
午後からは本日のメインイベント、GOROmanさんと中村さんの講演です。会場はこんな感じ。
落語か法話でも聞くような調子で最先端のIT話を聞くという趣向です。
「世界で見てきたVR/AR/MR」株式会社エクシヴィ 代表取締役社長 近藤 “GOROman” 義仁 様
まずは豊橋が生んだVRの伝道師、GOROmanさんです。ここに来る新幹線の中でスライドを作ってたら150枚にもなったとのことで、「1部 豊橋っこOculus入社への道のり」「2部 世界で見てきたVR/AR/MR」の2部構成のセッションでした。
第1部はパソコンに出会った小学生時代からパソコン通信に熱中した中学時代、インターネットがやりたくて大学に行った話、Wiiを改造してVRを作った話、Oculusを「日本に持ってこないと日本が遅れる」という使命感から創始者のパルマーラッキーに会いに行った話などを面白おかしく話してくれました。
特に印象的だったエピソードは
- 中学生の時にパソコン通信で金がかかりすぎたので、自分でGROMAN-Netというホスト局を開設した。電話してもらうのはタダだから。(インターネットのない時代)
- パソコンをやっていると言うのは恥ずかしい時代だった。パソコン友達が欲しくて工業高校に行ったらそこはビーバップハイスクールの世界だった。
- Oculus創始者のパルマーラッキーに初音ミクとソードアートオンラインをプレゼントして仲良くなってOculusに入社した。
第2部は世界のVRということで豊富な写真をもとに各国の最新機器やカンファレンスの様子を紹介してくれました。アメリカは大がかりな仕掛けを使ったもの、韓国は中国市場を見据えていてゲームが多かったこと、それに対して日本は初音ミクとか手筒花火とか変なものも多いがVRゲームのクオリティは非常に高いなどと、各国のお国柄が出ていたのが印象的でした。
ライトニングトーク
一人5分でスピーチするライトニングトークには3人の方が登壇されました。
一人目は「ただし、真っ二つだぞ?」を展示していた小柳さん。
視覚+嗅覚で味覚を操作する話や、サマーレッスンというVRゲームをプレイしてもホスト男性は女性の息吹を感じるけど非モテ男は感じない(VRは非リア救わない)というお話など、面白いLTでした
二人目はあいかちゃんさん
VR/ARの女性技術者主体の勉強会の紹介。東京開催ですが、東京まで来れなくてもネット配信やSNSで参加しよう!
三人目は久米さん
地元二川出身の若者です。ハッシュタグのついたツイートを集計するアプリを
- Azure Logic Apps
- Azure Functions
- Azure Cosmos DB
を使って作成し、Power BIで可視化して見せてくれました。
そしてこのアプリで集計した結果、最もブイアールサンダーについてツイートしたのはライトニングトークにも登壇されたあいかちゃんさんでした!賞品としてブラックサンダー一箱が贈呈されてました。おめでとうございます!
「HoloLens/Windows MRが実現する MRの世界」株式会社 HoloLab 代表取締役 中村 薫 様
二番目のセッションは中村さん。
まずはHoloLensの用途、強いところ弱いところ、それからWindows10のFall Creators Updateで対応された「Windows MR Immersive」のお話をしてくれました。わかりやすい。
それから「コラボレーティブコンピューティング」のお話。複数の人がある人はHoloLensを使い、ある人は「Windows MR Immersive」デバイスを使い、ある人はPCを使って協調して作業を行うというもの。SFのような話ですが、HoloLensやVRを経験した後だと実生活で実現するのも近い将来のような気がします。
後半はHoloLensの事例紹介。VRはゲームなんかも多いのですが、HoloLensはビジネス用途が多いとのこと。まだ発売されたばかりで実験段階かなと思っていたのですが、かなり実践投入されているようで驚きました。こちらに多くの事例が紹介されています。
おわりに
普段参加しているIT勉強会などでは参加者がほとんど男子ばかりだったりするんですが、今日は女性の参加者も多く、VRが一部のマニアにとどまらず広く世に浸透してきているのかなという印象を受けました。GOROmanさんのお話の中でVRエンターテインメント施設がデートスポットになっているというお話もありまして、もはやVRはオタク趣味ではなくモテ趣味といってもいいのかもしれません。